巡礼記-3

放浪太郎

2017年05月01日 10:52

 
 
山歩きに堅強な足も、初日

硬く単調な歩道を20km歩いただけで

翌朝、起き上がるのがやっとな状態




歩き始めると

一歩一歩、激しく痛む




左足、右足、膝、坐骨へと

日に日に痛みが拡がってゆく




2日目の昼頃、足が動かなくなり

まさか2日目にして断念か、と




流石にそれはないよなあ

みっともないし

応援してくれたみんなの顔が浮かぶ




とにかく一歩を踏み出すことだけに

左、右、左、右



 
この一歩を出すだけでいいんだ

この一歩を出すだけでいいんだ




そうやっているうちに

声をかけてくれる方に出逢い始め

声をかけて貰えると元氣になって

なんとかその日は、40kmを歩けた




みんなの応援と

声をかけてくれる人がいなかったら

本当に2日目で断念していたかも
 
 
 
 
だって、一歩を出すことすら

限界のような感じだったから




でも不思議なもんで

なんとか一歩を出しさえすれば

それが次の一歩に繋がってった




人生立ち止まっちゃ駄目だね

そして焦っても駄目だね

今できる一歩をやる

そしてそれを続ける

 
 
 
そんな一歩を66万回繰り返したら

長崎に着いてたんだよね




長崎に着こうとしたら

たどり着けなかったって思うよ

きっとプレッシャーに押しつぶされてた




俺は元々プレッシャーには強いけど

それでも無理だったかも




でも最大のプレッシャーは

長崎にたどり着くことではなく

その日寝られるか(生きられるか)だったんだよねえ

室内じゃなきゃ寒くてとても寝られる気温じゃなかったからね




つづく